本記事は理学療法士(ランニングトレーナー)&市民ランナーである管理人が投稿しています。
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ぬけぬけ病とは
ランナー界では俗に「ぬけぬけ病」という名前で知られている症状があります。
足が棒になる、力が入らない、足が勝手に動くetc...
専門的な用語では「局所性ジストニア」とか「イップス」だとか言われているわけですが、少なくとも私が経験した症状は少し違うのかなと感じます。
それにまだ、「ぬけぬけ病」というのはあまりよくわかっていないというのが実際のところです。
ただ、症状として共通している(わかっている)こととして痛みはありません。
「ぬけぬけ病+別の理由で痛みが出ている」はあるかもしれないので安易にぬけぬけ病ではないと言い切れないので注意が必要です。
私の「ぬけぬけ病」体験談
学生から社会人または民ランナーからアスリートまで関係なく今もぬけぬけ病に悩んでいる人がいるかもしれないので、私と同じような症状が出ているランナー向けにできるだけ詳細に当時のことを書いておこうと思います。
私は高校生(2015年くらい)の頃に「ぬけぬけ病」を経験しました。
当時は知名度もなかったように感じますし、周りに同じ症状を抱える人も(おそらく)いなかったので本当に意味不明の状態でした。
当事者である私も理学療法士になって数年後に「あれはぬけぬけ病だったのか〜」と気付いたくらいなのでランナー界に限らず医療系の専門家でも知らない人は意外と多いのかもしれません。
私の症状としては、足が棒のような感覚と両方とも下半身(特にお尻)に力が入らずにふわふわと浮くような感覚でした。
あれはなんとも表現しづらい走っていて気持ち悪い感覚です。
トラック競技で800m〜1500mまでは症状は出ないのですが、5000mは最後まで持ちません。
走れるっちゃ走れるけど、どうにもならないふわふわ感でスピードも出ないので感覚的には「全力だけどジョグペースで走ってる」みたいな感覚です。
陸上競技経験者なら理解してもらえると思いますが、当時の記録が1000mで2分45秒くらい、1500mが4分20秒くらいの持ちタイムだったのですが5000mは17分30秒くらいが限界でした。
驚くほど長距離に弱いということがわかります。
練習では400m〜2000mくらいまでのインターバルなら問題なく走れていました。
でもペース走などの長めの距離のトレーニング(例:12,000mを4分/km)は最後まで持ちません。
3000m過ぎくらいからふわふわ浮ついて前に進まないし足が棒になってきます。
どうにかペースを保とうとして全身に力が入り、それでもむしろ腰が落ちてフォームが崩れるし足の疲労感が強くなるのでどんどんペースが遅くなる。
でもペース自体はそこまで速くないから呼吸は楽です。
そんな状況でカラダの感覚的なことを伝えてもそもそも理解されません。
やっかいなことにLSDのような遅めのjog(5分/km程度)なら120分走っても症状は出ないです。
指導者からも「気合い入れろ〜」って感じで喝を入れられます。
でも当事者の私は頑張っているわけで、それでもどんどん悪くなるのでどうしようもないんですよね。
正直、自分のカラダのことだけどワケがわからないし「また症状出てきたよ・・・」って感じでもどかしい気持ちばかりでした。
当時の症状をまとめると
2000mくらいまでの短い距離であれば速いペースでも症状は出ない。
3000m以上の距離(症状が出る分岐点がこれくらい)で一定の速さ以上(4分/km以上)であれば症状が出る。
で、私はこう思いました。
「練習が足りないのか」
「長い距離で弱いから持久力つけないと」
自分で言うのもなんですがすごく真面目に練習に取り組んでいましたし、結果が出ない=練習量が足りないと思っていた(勘違いしていた)のでほぼ休みなしで練習、それが裏目に出たのでしょう。
その後、故障して高校2年の途中からほぼ練習もできずレースの参加もなく気付けばモチベーションも上がらずに高校での競技を終えました。
ぬけぬけ病の正体は?
私は高校卒業後、専門学校を経て理学療法士になりました。
病院やクリニックでリハビリテーションを提供する仕事です。
自分自身も現在は市民ランナーとしてマラソンを走ったりしているわけですが、ふとした瞬間に思い出しました。
当時のぬけぬけ病の正体ってなんだったんだ・・・?
で、結論としては、神経もしくは神経+血管の絞扼症状だったのかな、ということです。
これはあくまでも私の自己体験に基づく仮説ですし、過去に戻って検証することはできないので推測となってしまいます。
ただ、かなりの確率で上記の原因による症状だったのではないかと考えています。
その理由として
- 日常生活に支障はない
- 歩行は問題ない
- ゆっくりペースは問題なく一定の速さで長い距離になると起こる症状だった
- 走行中の力の使い方(感覚)やフォームが悪かった
- 練習メニューや環境(トラック周回が多い)が悪かった
- トレーニングの量や頻度からオーバートレーニング傾向があった
- 理学療法士の知識と経験を通して神経や血管の症状と言えるし、逆に消去法でもこの2つが選択肢として残る
主に以上のような理由から当時の私の症状は神経(+血管)の絞扼症状が濃厚である、と考えています。
というか、むしろそれしかないのでは?とすら思えます。
神経が絞扼する原因はさまざまですが、長距離ランナーの場合は筋の協調性(使い方のバランス)の悪さや筋・結合組織と呼ばれる組織の硬さによる影響が考えられます。
オーバートレーニングのような疲労が蓄積した状態であれば必然的に筋や結合組織の硬さが生じている可能性は高いですし、毎回同じようなコース・同じようなトレーニングを続けることで左右のバランスが崩れ、一定の筋にだけ負荷がかかりやすい状況を作ってしまいがちです。
結合組織とは脂肪などが含まれますが、神経や血管の周りは結合組織によって守られていますし、一部の場所では筋肉を貫通して走行している場合があります。
そのため、結合組織や筋の硬さは逆に神経・血管を絞めつけてストレスをかけてしまうということがリハビリテーションの現場で多々あるのです。
そのような身体的要因・環境的要因が重なり合って発症するのが「ぬけぬけ病」と言えるのではないでしょうか。
治療では神経や血管がどの部位で絞扼を受けているのか、その部位を的確に探し出す必要があります。
絞扼とは少し意味合いが変わりますが「滑走障害」という状況の場合もあり治療アプローチの内容が変わることもあります。
いずれにしても直接的には神経・血管、間接的にはその周囲の筋・結合組織の問題が隠れているはずです。
また、根本的にはなぜそのような神経の絞扼や周囲の組織の硬さを作ってしまったのか理由を見つけなければ再発の危険性も抱えたままになります。
私たちのような専門家、できれば同じ資格を持った専門家でもぬけぬけ病を理解している陸上競技経験者による治療が望ましいです。
悩んでいる方は相談・治療できる場所を早めに探しましょう
今回は私の経験をもとにあくまで仮説レベルでの「ぬけぬけ病」に対する見解をお話ししました。
同じぬけぬけ病と言われる症状でも人によって症状に若干差はあるかもしれませんし、その症状の強さも千差万別です。
その人が発症に至ったきっかけや経緯、練習環境などの背景まで含めた(いわばその人のストーリーの)理解と治療が不可欠である、ということは断言できます。
1人で抱え込み、治そうと努力するよりも理解してもらえる専門家を見つけて治療してもらった方が良好な結果が得られると思いますので、自分にあった場所を探してみましょう。
私も高校生の頃、とにかく理由もわからず結果的に競技引退という状況になってしまったので後悔しかありません。
そのようなランナーが1人でも減ることを願っています。
時間や場所に条件はありますが、私も都内の整形外科クリニックに勤務する傍ら、自費(保険適用外)でパーソナルトレーニングを提供しています。
もし治療が思うようにいかない、1人ではどうしようもないと悩んでいるようでしたらX(旧ツイッター)などで相談だけでもどうぞ。
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