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[フォアフット走法の落とし穴]長距離エリートランナーのフォームを真似してフォアフット走法にしても速くなれない!?

本記事は理学療法士(ランニングトレーナー)&市民ランナーである管理人が投稿しています。

 

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マラソンはトップランナーのランニングフォームを真似しても速くなれない

冒頭からさっそく結論的な話しをしたいと思いますが、マラソンや駅伝で活躍するハイレベルな長距離ランナーのフォームに憧れるまま真似をしても速くなれない確率の方が高いです!

 

 

このように話す最大の理由として、フォアフット走法を最後まで維持できない人の方が圧倒的に多いためフォームを真似しても速くなれない。

 

単純にフォームの質や習熟度的な要素もあるかもしれませんが、他にも筋力・筋持久力的な要素が不足していることを自覚せずに無理矢理フォアフット走法で走り切ろうとすることでマラソンレース後半にふくらはぎの痙攣を起こしたり、アキレス腱あたりが痛くなって記録やレースを諦める・・・なんてことになってしまいます。

 

「最後まで足が”もたない”」という表現の方がしっくりくるかもしれません。

つまり練習量が足りない、カラダが追いついていないわけです。

 

イマリ
本ブログの別記事でランニングフォームや接地方法について書いたことがありますが、今回は少し違った視点で書いていこうと思います。

 

フォアフット走法に変えたい理由を考える

フォアフット走法(前足部接地)と呼ばれるランニングフォームを習得したい!

・・・と考えているアナタにとって、この後にお話しすることを知った上で習得に向けて行動するのであれば何ら問題はありません。

 

しかし、このような理由でフォアフット走法に取り組んでいませんか?

  • ハイレベルなランナーはフォアフット走法だから自分もフォアフット走法に変えれば記録が伸びるだろう。
  • フォームがかっこいい、キレイだから自分もそうなりたい。

 

上記の例に挙げたように、あまり深く考えずにフォームを変えれば記録が伸びるとかカッコイイという理由でフォームを変えるのは実は危険な行動です。

もちろんフォアフット走法自体を全否定しているわけではなく、正しく分析した上でアナタにフォアフット走法が向いているのであればむしろ積極的にフォームの修正を狙った方が良いでしょう。

 

フォアフット(前〜中足部)接地vsリアフット(後足部)接地

タイムと足底接地パターンの関係性のみに着目すると、確かに前〜中足部接地を維持できたランナーの方がゴールタイムが早いということがわかっています。

 

ただし、私が注目してほしいのは結論として最初の方にお話ししたフォアフット走法を最後まで維持できない人の方が圧倒的に多い、という事実。

 

 

そもそも市民ランナー(レクリエーションレベルのランナー)では踵(かかと)から接地するリアフット走法(後足部接地)の割合の方が圧倒的に多く、ある研究では71.1%〜93.7%と報告されています。

 

ここでおもしろいのが、距離が長くなってくるレース後半になるとリアフット走法(後足部接地)の割合が多くなるという結果です。

レース序盤はフォアフット走法でテンポよく進んでいたランナーがレース後半になるとリアフット走法に変化していることを示しています。

 

 

イマリ
対照的にエリートランナーではレース中の足底接地パターンの変化がみられる割合は少ないことが報告されています。

 

ランニング中の足底接地のパターンは走っている速度が速ければ前足部接地で、ゆっくりになれば後足部接地になる傾向があるとわかっています。

これは難しく考えなくとも多くの市民ランナーが実感できることだと思います。

 

マラソンレース序盤は体力的に余裕があってリズム良く(比較的速いスピードで)走れますが、後半は体力が奪われ思うようにスピードが出ない・維持できないはずです。

 

そして、初心者ランナーでは疲労による接地のばらつきが大きく、足底接地のパターンが不安定に変化しやすい可能性があると報告されています。

 

ここまでをまとめると、ハイレベルなランナーはレースの最初〜最後まで一貫して前足部接地で安定して走り切ることが可能だが、市民ランナーレベルではレース後半になるにつれて疲労によって足底接地パターンに変化(ばらつき)が生じたり、前足部接地を維持できない傾向がある、ということになります。

 

接地を真似するなら練習の質&量も真似すべし

ここまでの内容で勘の良い方はわかっているかもしれませんが、フォームを真似するだけでは本当の意味で習得できるわけではないと言うことです。

 

例えば、大学生で箱根駅伝に出てくるようなエリートランナーは平均的に月間600km〜800km程度、ときにそれ以上の練習をこなしています。

 

それだけの練習を積み上げていくなかで無駄のないフォーム、速く走れるフォーム(接地パターン)がつくられます。(洗練されるという方が良いかもしれません)

 

イマリ
つまり、本記事で言いたいことは1つ!!

 

フォーム(前足部接地)を真似しつつ、本当の意味でフォアフット走法を習得したいのであればフォーム作りとあわせて+練習内容も真似しましょう!(極論ですが。笑)

 

さすがに毎日20km〜30km走れとは言いませんが、個々のレベルに見合ったなかでの練習の質・量の底上げを図ることが必要だと言いたいです。

 

レース序盤からゴールまで接地が乱れずに安定して走り切れるだけの体力あってのフォアフット走法であり、そのためには練習(努力)がどうしても必要です。

 

 

イマリ
何度も言います。

フォームだけ真似して1日5kmジョグとか月間50kmくらいの練習量であればフォームを変えるなんてほぼ無理です。

 

絶対に無理・・・とは言いませんがフォームを変えるのだけで数年以上かかるレベルですよ。

 

レース序盤はフォアフット走法で景気良く走れても中盤以降で必ずガタがきて接地が不安定になるのがオチです。

 

もしそうであれば最初からリアフット走法(後足部接地)で、スタートからゴールまで一貫したペースで安定した走りを追求する方がトータルでみれば良い結果につながると思います。

 

最後に

ランニングフォームのなかでも足底接地パターンは超重要な要素であることは間違いありませんが、フォアフット走法が100%良い走り方とは言えません。

自分のレベル、骨格、練習に費やせる時間などを含めて本当にそのランニングフォームが合っているか考えることが大事です。

 

 

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