本記事のキーワード:
最大酸素摂取量(VO2max)、有酸素性トレーニング、無酸素性トレーニング
はじめに
マラソンのトレーニングでは距離走や時間走(JOG)だけでは順調な記録更新は不可能です。
そのためにはさまざまトレーニング方法をバランスよく計画する必要があるわけですが、特に初心者のランナーであるほど詳しいトレーニング方法を聞いてもピンとこないですよね。
有酸素系(持久力系)トレーニングの主な効果は下記になります。
効果
- 心臓血管系の機能向上
- 体温調節機能の向上
- ミトコンドリアのエネルギー生産能向上
- 骨格筋の酸化能向上
- エネルギー源として脂肪の利用効率向上
本記事ではランナーが行う基本的なトレーニング方法について解説します。
トレーニング方法によっては非常にキツイ練習になりますが、しっかり理解しておきましょう。
本記事では[最大酸素摂取量=VO2max]という用語がたびたび出てきます。
先に用語の意味を知っておくと理解しやすくなります。
用語解説
最大酸素摂取量(=VO2max)とは、1分間に体重1kgあたりに取り込むことができる酸素の量(ml/kg/分)を指します。
(本来はドットが必要なのですが、記事原稿では表記できないようなのでドットを省略しています)
ランナーにとって、この最大酸素摂取量はパフォーマンス向上に欠かせない要因です。
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要するに酸素を取り込む能力がどれほどなのかということです。
当然ですが「最大値が高いほどランニングのパフォーマンスは上がる可能性が高い」ということになります。
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LSD(Long Slow Distance)トレーニング
サクッと解説
現在の「LSDトレーニング」を簡単に表現すると、「ゆっくり+長い距離を走ること」
元々は、約70%VO2max(もしくは最大心拍数の約80%)に相当する強度のトレーニングのことを指していたようです。
つまり、レースペースよりは多少ゆとりを持って行うトレーニングだったようですが、現在では多少意味合いが異なります。
例としては、2時間走や25km走といった比較的長い距離を走り切るトレーニングを指します。
呼吸は荒れずに会話ができる程度のスピード(強度)で行うことがポイントです。
結果として、カラダの乳酸除去能力が高まり乳酸性作業閾値(LT値)が高まる可能性があるとされています。
また、このタイプのトレーニングを長期間継続することで、運動に参加する骨格筋の代謝様式に変化がおこりタイプⅡx線維(白筋)からタイプⅠ線維(赤筋)へ変化につながります。
【LSDトレーニングの注意点】
競技レベルで行う場合には、実際のレーススピード(強度)よりも低いペースで行うため神経学的に刺激の少ないトレーニングです。
つまり、LSDトレーニングだけやっていても記録向上にはつながりにくいということが言えます。
ペース・テンポトレーニング
サクッと解説
レースと同等のスピード(強度)もしくはレースよりもやや速めのスピードである程度の時間・距離を走る
この強度は乳酸性作業閾値(LT値)とほぼ一致する強度であるため閾値トレーニングもしくは有酸素性・無酸素性トレーニングとも呼ばれます。
具体的方法としては、乳酸性作業閾値レベルのスピードで約20分〜30分間、一定のペースで持続的に走ります。
(乳酸性作業閾値レベルのスピード=およそ80%程度の力で走るとそれくらいです)
ペース・テンポトレーニングの1番の目的は、レースで必要とされる筋機能を高めること、レースペースの感覚をつかむことです。
LSDトレーニングとは対照的なトレーニングとイメージしましょう。
結果として、ランニング効率が高まり乳酸性作業閾値の向上といった効果が得られます。
インターバルトレーニング
サクッと解説
全力の70-80%走の繰り返し▶︎数分休憩▶︎全力の70-80%走の繰り返し
インターバルトレーニングはVO2maxに近い強度で行う(非常にキツイ!)トレーニングです。
運動-休息比は1:1を基本とします。
しかし、実際には設定ペースや距離、その日の体調にあわせて休息を多めにいれることも多いです。
【例:運動時間3分-休息3分-運動3分×数セットを繰り返す。】
インターバルトレーニングは基礎体力がしっかりついてから行うべきトレーニング方法であり過度に実施しないように注意しましょう。
競技レベルのアスリートでもせいぜい週1〜2回程度です。
効果としては、VO2maxの増加、無酸素性代謝の促進が挙げられます。
高強度インターバルトレーニング(HIIT)
サクッと解説
ほぼ全力走▶︎数十秒〜数分休憩▶︎ほぼ全力走の繰り返し
短い回復期間をはさんで繰り返し高強度運動を行う方法です。
さきに説明したインターバルトレーニングよりも、さらに高い強度です。
具体的には、VO2maxの90%以上の刺激が最適とされます。
【例:運動2分-休息1分×数セットを繰り返す。】
HIITを行う際、繰り返しの間にどの程度の休息をいれるかが非常に重要です。
休息時間を短すぎると、その後の運動で質がグッと悪くなってしまい、さらにはケガのリスクも高まる可能性があります。
ビルドアップ走
サクッと解説
比較的長めの距離走を徐々にペースアップしていくトレーニング方法です。
通常の距離走ないし時間走よりも心肺機能・骨格筋に刺激を入れることができますし、最終的にレースペースまで上げることでペース・テンポトレーニングに類似した効果が得られます。
しっかり走行距離を確保しながらも最終的には高い負荷をかけることができるという点が最大のメリットです。
スタートから勢いよく走る必要はないので、寒い時期には前半カラダを温めながらウォーミングアップがてら行えるので効率的です。
ファルトレクトレーニング
サクッと解説
軽いランニングと短時間のヒルランニング、短い距離の瞬発的なランニングを組み合わせたトレーニング
ファルトレクトレーニングとは元々スウェーデン語で[ファルト=スピード]・[レク=プレー・遊ぶ]という意味があります。
具体的な強度
- 軽いランニング=約70%VO2max
- 短時間のヒルランニング、短い距離の瞬発的なランニング=約85%VO2max
都市部などで街ランを主体にしているランナーはアスファルトの路面、平坦な道、同じ景色が続くことでトレーニングに単調さが生まれ飽きやすいというデメリットがあります。
そのような場合に、毎日のトレーニングに飽きがこないように時々ファルトレクトレーニングを取り入れることで気分的にも骨格筋にも新鮮な刺激がはいりリフレッシュできておすすめです。
クロスカントリー(芝、山道など)で行うと普段のトレーニングでは鍛えにくい骨格筋やバランス能力に刺激を入れやすいですよ。
マラソン向けのトレーニング例
初心者のオフシーズン
日曜日 | 45分間インターバル走 |
月曜日 | 休息日 |
火曜日 | 120分間LSDトレーニング (7分〜7分半/kmペース) |
水曜日 | 休息日 |
木曜日 | 60分間走 |
金曜日 | 休息日 |
土曜日 | 45分ファルトレク走 |
しっかり基礎体力を作ることが目標です。
ポイント
まずは一定の距離・時間を走ることに慣れ、心肺機能や骨格筋の代謝能力を高め「スタミナ」をつけましょう。
身体的疲労だけでなく精神的疲労にも気を配ることができるようにかならず休息日は3回程度確保しましょう。
「継続する」ということを優先で考慮したトレーニング例です。
サブ5(レース前2〜3ヶ月〜)
日曜日 | ①30分間走
②インターバルトレーニング セット間の休息(リカバリー)5分 |
月曜日 | 休養日 |
火曜日 | 40分間走 |
水曜日 | 休息日 |
木曜日 | 60分間ファルトレク |
金曜日 | 8km走 (設定:6分/km) |
土曜日 | 休息日 |
目標はサブ5(平均ペース:約7分)です。
ポイント
インターバルや距離走(例:8km走)ではレースペースよりも早めに設定しています。
本番で設定ペースに余裕をもって走れるようにしておきましょう。
サブ4(レース前2〜3ヶ月〜)
日曜日 | ①40分間走
②インターバルトレーニング セット間の休息(リカバリー)3分 |
月曜日 | 60分間走 |
火曜日 | 休息日 |
水曜日 | 80分LSDトレーニング |
木曜日 | 休息日 |
金曜日 | 10kmビルドアップ走 (1~2km;6分/km) (2〜4km;5分40秒/km) (4〜8km;5分20秒/km) (8km〜;フリー) |
土曜日 | 40分間走 |
目標はサブ4(平均ペース:約5分40秒)です。
ポイント
サブ4達成に向けては、サブ5のトレーニングとは違いしっかりしたペース設定のインターバルトレーニングも組み込みながら挑戦していきましょう。
可能であればLSDトレーニングも100〜120分まで伸ばせるとなお良いです。
LSDはペースがゆっくりなのでフォームがおろそかになりがちです。
姿勢を崩さず良い姿勢を意識したトレーニングを心がけましょう。
サブ3.5(レース前2〜3ヶ月〜)
日曜日 | ①40分間走
②インターバルトレーニング |
月曜日 | 60分ファルトレク |
火曜日 | 休息日 |
水曜日 | 10km以上のランニング |
木曜日 | ①20分間走
②インターバルトレーニング または20kmLSDトレーニング |
金曜日 | 休息日 |
土曜日 | 60分間走 |
目標はサブ4(平均ペース:約4分58秒)です。
ポイント
筋持久力を養うためには身体的にも精神的にもキツイ練習になりますが、頑張りどころです。
あくまでもポイント練習(インターバルトレーニング)を軸に1週間の疲労や走行距離を管理しましょう。
とはいえ、サブ3.5をクリアするためにはしっかりと距離(スタミナアップ)も必要です。
オーバートレーニングの兆候を見逃すことがないように気をつけましょう。
ディトレーニング
ディトレーニングとはトレーニングを中止(または強度・時間を著しく減少させる)した場合におこる現象です。
トレーニング刺激がなくなると、トレーニング前のレベルまで急速に低下することを指します。
せっかくトレーニングを積んで、身体能力が向上してもケガ(故障)などを理由に走れない時期が続くとこれまでのトレーニングで積み上げた身体機能が戻ってしまいます。
その点では、やはりケガなく継続した練習がディトレーニングを予防し何よりも大切になります。
まとめ
それぞれのトレーニング方法にメリット・デメリットがあります。
基本的にはオーバートレーニング症候群やケガ(故障)に注意しながら継続することが目標クリアの近道です。
自分自身でトレーニング計画を組むことがむずかしいと感じればパーソナルトレーニングなども検討しましょう。
ランナー向けの栄養補給
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