本記事は理学療法士(ランニングトレーナー)&市民ランナーである管理人が投稿しています。
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足首の硬さの原因は?
足首が硬いと怪我しやすいとかパフォーマンスが下がるといったことを耳にすることはありませんか?
実際のところは人によると思いますし、「硬い」組織がそもそも何の組織なのかによっても答えは変わります。
ランナーであれば腓腹筋(ひふくきん)やヒラメ筋という筋肉を知っている方も多いでしょう!
もっとなじみのある言葉では「アキレス腱」です。
そして、この筋肉(アキレス腱)が硬い=足首が硬くなると思っている人も多いのではないでしょうか?
「アキレス腱を伸ばす」は正解?
アキレス腱とは腓腹筋とヒラメ筋の腱のことです。
細かい解剖学まで追求すると踵(かかと)に付着する部分が線維によって微妙に異なってはいますが、わかりやすく1つの集合体として踵(かかと)に付着すると考えて良いでしょう。
で、実はアキレス腱というのはそんなに伸びる組織ではありません。
むしろほぼ伸びないと理解していただいて構いません。
俗に言う” すじ "とは腱のことを指しますが、アキレス腱という組織は元々硬さを備えた組織でありほとんど伸びません。
腱という組織の特性上、そうなっています。
実際に伸びているのは筋肉→腱へ移行していく部分(筋腱移行部と呼ばれます)や筋肉の実質部です。
揚げ足取りのように思われるかもしれませんが、アキレス腱を伸ばしましょうと言ってストレッチしている人は狙いの場所・組織が違うんですよね。
狙いは長母趾屈筋!
そして、やっと本記事の核心ですが腓腹筋やヒラメ筋とその腱であるアキレス腱による足首の硬さよりも、それ以上に悪影響を与えている可能性が高い組織があります。
それが「長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん)」です。
足の親指を曲げる・握り込むときに働く筋肉でふくらはぎの後方・外側から足裏を通って親指に付着します。
【骨模型にテープで簡易的に再現】
足首を持ち上げる(背屈という動き)では腓腹筋・ヒラメ筋・アキレス腱よりも深い場所に位置する長母趾屈筋が最初に関節の動きを邪魔するような走行になっています。
つまり、長母趾屈筋を先に動きやすくしておかないとなかなか足首の柔軟性は改善しない、という可能性が高いのです。
足の親指持ち上げストレッチ
今から伝えるのはストレッチと言えばストレッチですが、細かく言えばそうでない方法・・・(笑)
ややこしいので飛ばしますが、要は長母趾屈筋をしっかりと動けるようにする方法です。
このように片方の手で親指の付け根が反り返るのを防止しながら、もう片方の手で親指を持ち上げる→戻す→持ち上げるを繰り返し行うことで効果が期待できます。
最後に
今回は足首の柔軟性という点において「アキレス腱」と「長母趾屈筋」の関係について紹介しました。
もちろん人によっては長母趾屈筋以外の筋肉、その他の組織が柔軟性を邪魔する原因になっている場合もあります。
ただ解剖学的に高確率で影響を与えるのは腓腹筋やヒラメ筋、アキレス腱以外にも「長母趾屈筋」という筋肉があるということを知って日頃のストレッチに取り入れてみましょう!
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