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インターバルトレーニング、最大酸素摂取量(VO2max)、無酸素性作業閾値(AT)
インターバルトレーニングとは
最大酸素摂取量(VO2max)の改善などが期待できる練習方法ですが、それだけ強度は高くなるため「キツイ」練習になります。
ランニングをはじめたばかりの時期では無理に行なう必要はありません。
ただし、いずれサブ4・サブ3を狙いたい!という時期に達したときには必須の練習です。
設定する距離やスピードによってトレーニング効果が多少変化するため上手に使い分ける必要があります。
注意点として陸上競技場でおこなうようにしましょう。
理由
- 距離が正確にわかる(1周=400m)
- サーフェス(路面)がアスファルトより柔らかい(衝撃が少ない)
- 車や歩行者、信号などによって走りを邪魔されない
- 万が一、体調不良になっても周囲に人がいるので助けを求めやすい
以上のような理由から、陸上競技場のトラックで実施すべきです。
「全く経験がないけどインターバルトレーニングをやってみたい!」という場合は近場の練習会やランニングクラブを探してみると良いでしょう。
無酸素性作業閾値(AT)
インターバルトレーニングをおこなううえで大切な考え方が、この無酸素性作業閾値(AT)です。
メモ
ATとは無酸素性作業閾値(anaerobic threshold:AT)
血液中の乳酸の蓄積がおこるポイントをATと言う。
無酸素性エネルギーと有酸素性エネルギーの切り替わりのポイント。
少し専門的な説明になりますが、ATポイントは激しい運動により組織の酸素欠乏がおこりピルビン酸がTCA回路では分解されずに乳酸が増加すると推定されています。
つまり、酸素を利用した(有酸素)エネルギー生成が追いつかないため長く運動できなくなるということです。
言い換えると、ATポイント以下の強度であれば長く走ることができます。
そのため、インターバルトレーニングによっていかにATポイントを上昇できるかがフルマラソン攻略にとって必要なことと言えるでしょう。
ATポイントを確かめるには専用の設備がなくてはいけません。
一般の市民ランナーが手軽に測定できるものではないので、疲労感や心拍数をもとにおおよその推定で判断します。
下記の主観的疲労度で運動負荷を判断する評価方法があります。
[13 ややきつい]がおおよそATレベルに近いとされているためインターバルトレーニング中は多少幅を持たせて12〜14程度の疲労度を狙いましょう。
ロングインターバル
例
- 2000m×5セット
- 3000m×3セット
- 5000m×2セット など
ATレベル(85%)で比較的長い距離・時間を走る練習です。
レースペースに体を慣らす、スピード持久力の改善に効果的です。
ショートインターバルと比較するとスピードや無酸素持久力を高める強度としては弱めになります。
ミドルインターバル
例
- 1000m×3〜5セット など
ATレベルよりやや高め(90%)でレースペースでの分割走や持久力向上を目的に行います。
距離が短い分、ロングインターバルよりやや早いペース設定にすることが大切です。
ショートインターバル
例
- 200m×10セット
- 400m×5〜10セット など
ショートインターバルトレーニングはスピードや乳酸耐性能力の改善に効果的とされています。
ロング、ミドルインターバルよりさらに短い距離設定で、かつ速いペースで行います。
ATレベル以上で実施し最低でもレースペースで設定タイムを決めましょう。
HIIT(高強度インターバル)
例
- [20秒間のほぼ全力走+10秒間の休息(ウォーク〜ゆっくりジョグ)]×6〜8セット など
高強度インターバルトレーニングの代表的なものにタバタ・プロトコルがあります。
これは例に挙げたように20秒の速いランと10秒の休息を組み合わせた方法です。
週3回、6〜12週間継続すると有酸素能力と無酸素能力の両方が向上するとされています。
基本的には速い走行:休息=2 : 1の比率でおこないますが、トレーニングとして実施しやすく修正した方法として速い走行:休息=1 : 1 にすることもあります。
例えば20秒走行し、20秒ゆっくりジョグ(休息)を6〜8セットなどです。
最後に
インターバルトレーニングは競技者はもちろん、市民ランナーでサブ3〜4を狙うランナーであれば必須とも言えるトレーニングです。
理由は、最大酸素摂取量(VO2max)を効率的に改善し、速いスピードで長く走る能力を向上することができるからです。
ただし、普段のジョグと比較すると強度は圧倒的に高く、身体の負担は相当なものになります。
何か異変を感じたら無理はせず、すぐに中止しましょう。
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