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[ランナーの筋力トレーニング]初心者ランナーに筋トレは効果があるのか

本記事は理学療法士(ランニングトレーナー)&市民ランナーである管理人が投稿しています。

 

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本記事のキーワード:

レジスタンストレーニング、パワートレーニング

 

 

マラソンの記録向上にレジスタンストレーニングは効果的?

  • 効果はあるがトレーニングのタイミングや種類は要検討

レジスタンストレーニングとはいわゆる「筋力トレーニング」を指します。

一般的には自重による筋力トレーニングよりも、さらに強い負荷をかけるために器具(マシンなど)を使用したトレーニングです。

 

マラソンでは主に酸素の運搬と利用が記録に直結するため、レジスタンストレーニングによって高められる機能とは相反するものになります。

 

それでも筋力トレーニングはやった方がよいのか、やらない方がよいのかを解決しましょう。

 

 

レジスタンストレーニングは持久力トレーニングとの組み合わせがむずかしいトレーニング方法です。

理由は、お互いにトレーニングによって得られる効果を邪魔をしてしまう可能性があるからです。

 

事実、筋力と持久力のトレーニングを並行しておこなうトレーニングでは筋力向上を阻害するという一部の研究もあります。

研究によっていくつか報告が分かれますが、結論としては最大酸素摂取量(VO2max)に影響を与えない、すなわち持久力トレーニングの効果には悪い影響を与えないとされているため悪いものではありません。

 

ただし、後述しますがレジスタンストレーニングと有酸素性トレーニングのタイミングや計画性が大切です。

 

レジスタンストレーニングをおこなうメリット

 

ランナーにとって必要な能力とは「有酸素性(持久力)」であることに対してレジスタンストレーニングは「無酸素性(筋力・パワー)」の運動様式です。

マラソン中の無酸素性の活動が活かされる場面を例にあげるとゴール前の最後のスパート(〜数百m)、上り坂、ペースを急激にあげる際のスピードなどが考えられます。

 

あとは仮説としてですが、ケガをしにくいカラダを手に入れるという効果があるかもしれない、ということです。

あくまでも「・・・かもしれない」という域で、その点に関してはまだ不明確な状態であり鵜呑みにしないよう注意しましょう。

 

持久力トレーニング-VS-レジスタンストレーニング

 

とはいえ、上級レベルのアスリートランナーであればともかく市民ランナーではラスト勝負にこだわるようなレースは非常に「まれ」ですよね。

どちらかと言えば、マラソン全体を通して平均的に・失速することなく走り自己記録更新を狙うわけで着順にはそこまでこだわりません。

となると、無酸素性の運動能力が果たしてどこまで必要なのかと疑問が湧いてきます。

 

さまざまな研究論文や実際に市民ランナーとして走っている私自身の経験などをふまえたうえで出した結論は、レジスタンストレーニングはやらなくても問題ないかなと。

 

理由

  • レジスタンストレーニングをおこなう時間を捻出する大変さ(仕事、家庭の時間を犠牲にできるか)
  • 費用対効果(時間的コストと効果が見合わない可能性が高い)
  • 環境を整える(ジムに通う)お金がかかる

 

フルマラソン2時間50分切りを達成してくるようなレベルになれば積極的なレジスタンストレーニングを取り入れる価値はあるかもしれません。

しかし、それよりもファルトレクやインターバルトレーニングなどの有酸素性持久力を高めるポイント練習の方が優先度は高いですし、そちらを優先して時間を確保した方が価値があるかと考えます。

 

参考

オリンピック選考会を控えるような選手たちで筋力トレーニングをおこなう頻度は男子選手で週1回以下、女子選手で平均週1.5回以下だった。

約半数の選手は筋力トレーニング自体を全くおこなっていなかった。

事実、このようにアメリカのトップクラスのマラソン選手では筋力トレーニングをほとんどおこなっていないとの調査結果もあるほどです。

 

初心者ランナー

マラソンのパフォーマンスアップを狙うなら持久力トレーニングが優先です。

むしろ、持久力トレーニング1択と言っても過言ではありません。

 

特に初心者ランナーに関しては「ジムで筋トレする暇があれば走った方が得」と考えましょう。

レジスタンストレーニングから得られる恩恵よりも持久力トレーニングによってランニングエコノミー(RE)をどんどん高めることが効率的にパフォーマンスアップにつながるからです。

 

【ランニングエコノミー(RE)とは】REを知ればマラソンはもっと速く完走できる!!

 

研究結果から初心者(カラダをあまり動かしていなかった人)はレジスタンストレーニングによってLT(乳酸閾値)の改善がみられるものの、一定のレベルまで達したランナーでは効果があいまいと考えられています。

結局、これまで全くもって運動していない人はランニングしようが筋トレしようが全体的にレベルアップできるよ、といったイメージです。

 

中級者〜上級者ランナー

近年、トレーニングを積んだランナー(VO2max>50ml/kg/min)のパフォーマンスでは爆発的筋力とプライオメトリックトレーニングは効果的と考えられる研究が増えているようです。

ただし、注意点としてレジスタンストレーニングによる骨格筋への干渉を避けるために理想は別の日にそれぞれおこなうべき。

もし別の日におこなうことが無理でも、トレーニングの間隔は8時間ほど空ける必要があります。

 

まとめ

  • 持久力トレーニングと筋力トレーニングは骨格筋にみられる効果が矛盾する。
  • パフォーマンスアップにはプラスとなる可能性が高い。
  • 初心者ランナーは筋力トレーニングよりもランニングに時間を使うべし。
  • 中級者以上のランナーではレジスタンストレーニングもありだが、やみくもにおこなうことはNG。

 

カラダの機能を高めるためには実際の運動様式に沿ったものを選ぶべきという「特異性の原則」とよばれる原則があります。

つまり、走力を高めるには走ることが1番ということです。

 

月間走行距離を基準にしているランナーも多いですが、それだけを基準にすることは危険ですしおすすめできません。

しかし、その反対に(質の高い)練習が積めたランナーは好記録にぐっと近づきますし、結果的におのずと月間走行距離も順調に伸びるものです。

 

筋力トレーニング自体、悪いことではありませんが時間を使い過ぎないことが大切です。

 

初心者ランナーほど、考え方はシンプルに!

 

「走力を高めるなら、走るしかない」くらいに考えておきましょう。

 

 

ランナー向けの栄養補給

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