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【ランニングエコノミー(RE)とは】REを知ればマラソンはもっと速く完走できる!!

本記事は理学療法士(ランニングトレーナー)&市民ランナーである管理人が投稿しています。

 

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はじめに

ランニングエコノミー(RE)とは「どれだけ効率の良い走りができるか」とイメージしてもらえればOKです!

 

このランニングエコノミーを向上させることができれば、マラソンでも自己ベストタイムを更新することができます。

本記事ではランニングエコノミーとは何なのかどうすれば向上させることができるのかを解説します。

後半は[ランニングエコノミーと柔軟性]について少しばかり興味深い(?)話しも載せています。

 

マラソンの自己ベストタイム更新に必要なこと

まず大前提となる基本の話しですが、マラソンのパフォーマンスに関わる要素は大きく3つにわけられます。

  1. VO2max(最大酸素摂取量)
  2. 乳酸性作業閾値(LT値)
  3. ランニングの経済性または効率性(=ランニングエコノミー:RE)

 

その他の要素として下記のような要素が関与しています。

  • グリコーゲン利用能力
  • 肝臓と骨格筋のグリコーゲン濃度
  • 水分補給
  • 標高
  • 環境
  • 心理的要因(モチベーションなど)

 

特に1〜3.については知識として理解しておくだけでも、日々のトレーニング計画が立てやすくなるためぜひとも理解しておきましょう。

 

ランニングエコノミー(RE)とは

ランニングエコノミーとは

一定の最大下速度で走る際の酸素消費量であり、ランニングパフォーマンスにとって非常に重要な要素です。

仮に競争相手がVO2maxおよび乳酸素性作業閾値が同等でも、ランニングエコノミーに優れている選手の方がより速く、より長い距離を走ることが可能です。

つまり、省エネルギーモードというわけです。

 

ランニングエコノミー向上=ランニングのパフォーマンス向上

以上のように考えて問題ありません。

 

本題であるランニングエコノミーを決める要因はいくつか存在しますが、大きく2つです。

①努力次第で改善できる”ランニングテクニック”
→フォームやペース配分など

②努力しても変更できない”骨格”
→身長、筋肉(筋線維レベルの構造)など

 

ランニングエコノミーの大まかな内容については理解できたと思うので、次はランニングエコノミーを向上させる方法を解説していきます。

 

ランニングエコノミーを向上させる方法

 

何よりも大切なことは正しいフォームを身に付けること。

フォームの崩れはカラダの負担を増加させケガのリスクを高めるだけでなく、トレーニングを一生懸命やってもなかなかスピードが乗らない、記録が伸びない原因となります。

 

次にしっかりトレーニングを積むこと。

42.195kmを走り切るためには、距離走(LSD)や時間走だけでなく下記のようなトレーニング方法も取り入れることでランニングエコノミーをより一層向上させることができます。

 

レジスタンストレーニング

いわゆる筋力トレーニングです。

「筋肥大・筋サイズアップ」を目的におこなわれるトレーニングで、一般的にイメージできるものとしてジムでバーベルを使ったようなエクササイズです。

 

レジスタンストレーニングの場合、無酸素性の運動であるためランニング(有酸素性運動)とは一見かけ離れたものと思いがちですが、ランニングにも良い影響を与えるトレーニングの一つです。

筋力アップが見込めるため、より少ない力で速いペースを出せることにつながりますし、レースの中ではラストスパートの速さ、上り坂などの局面で超重要になってきます。

 

ランニングエコノミーを高める以外の効果としては、以下のような効果が期待できます。

  • 故障(ケガ)からの早い回復
  • オーバーユースによる傷害の予防
  • 筋のバランスの崩れの軽減

 

故障(ケガ)期間が短くなれば、その分トレーニングの期間を空けることもありません。

トレーニングできる期間が増えれば、おのずと走力アップにつながることは当然です。

 

プライオメトリックス・エクササイズ

プライオメトリックとは、ギリシャ語で「長さが伸びること」を意思する用語です。

現場では「SSC(ストレッチショートニングサイクルまたは伸張-短縮サイクル))」という反動動作によっておこる素早くパワフルな動作のことを指します。

 

SSC(ストレッチショートニングサイクル)ってむずかしい、と感じるかもしれませんが「輪ゴム」をイメージするとわかりやすく理解できます。

 

輪ゴムは引き伸ばせば伸ばすほど、遠くへ飛ばすことができますよね。

この時、輪ゴムには伸ばされたことによって(弾性)エネルギーが蓄えられている状態です。

 

筋肉は「ゴム」のようにある程度の弾性(伸びる柔軟性)があるため、運動の際にも筋肉を一定の力で引き伸ばすことで、その後の戻ろうとする力(エネルギー)によって足を動かすことができます。

 

要するに

筋肉は骨〜骨に付着するゴム素材であり、引き伸ばされることで発生したエネルギーを使って効率の良い運動を行うことができるというわけです。

 

ヒルトレーニング

ヒルトレーニングとは、坂道を利用したトレーニング方法です。

下り坂を利用して意図的に速いスピードで走る「ダウン-ヒルトレーニング」

上り坂を利用して筋持久力の向上を目指す「アップ-ヒルトレーニング」

 

もちろん、走る距離や休息時間などはさまざまな工夫ができます。

たとえば、上り坂を利用した500m走×5セットのインターバルトレーニングを取り入れると下半身や心肺機能に強い負荷をかけることができます。

期待できる効果としては筋持久力の向上、最大酸素摂取量(VO2max)の向上、筋力アップなどがあります。

 

インターバルトレーニング

最大酸素摂取量(VO2max)に近い強度で行うトレーニングです。

[全力の70-80%走▶︎数分休憩▶︎全力の70-80%走]の繰り返しが基本です。

たとえば、400m×10本(400mを全力の80%で走行▶︎200mをゆっくりランニング▶︎400mを全力の80%)は初心者から中級ランナーにステップアップする際に1度は経験しておきたいトレーニングです。

筋持久力を高めるためには必須ともいえるトレーニング方法になります。

 

ランニングエコノミー×柔軟性の関係

これまでは「ランニングエコノミーの基礎」を伝えました。

これより先は焦点を「柔軟性」にギュッとしぼってランニングエコノミーについて考えます。

 

まず始めに、アナタは「カラダが硬い人」vs「カラダが柔らかい人

どちらの方が「ランニングエコノミーは良い」と予想しますか?

 

 

ランニングエコノミーと柔軟性という関係で考えた場合、実は柔軟性が低い人の方が有利という研究結果が出ています。

柔軟性が低い
→少ない関節可動域でSSCの弾性エネルギーが蓄積される
→結果、SSC(ストレッチショートニングサイクル)のエネルギーを利用したランニングで経済性は高まる

ここでSSC(ストレッチショートニングサイクル)という専門用語がありますが、詳細は割愛します。

メモ

ざっくり解説すると「関節が動き、筋肉が引き伸ばされることで弾性エネルギーが生まれ、力が発揮しやすくなる」とイメージできればOKです。

 

長距離走に必要なエネルギーは40〜50%が骨格筋の弾性エネルギーから得られるともいわれており、非常に強い影響を受けることは間違いありません。

 

 

イマリ
じゃあ、柔軟性はない方が良いじゃん。ストレッチやめよう。

 

 

 

というのはちょっと待った!

 

SSCという点では有利なのですが、総合的に見るとそう簡単な話しではないのです・・・。

 

短期間のストレッチとランニングエコノミーの関係

運動前のスタティックストレッチ(静的ストレッチ)を行うことでパフォーマンスは下がります。

ある研究によると、
ランニング前にスタティックストレッチをした人はしなかった人に比べて、
30分間で走行した距離が減ったとしています。
別の研究でも、ランニングタイムが遅くなり、接地時間が増加、筋活動も増加し結果としてパフォーマンスが約8%低下したと明らかにしています。

 

筋活動が増加した、とういう点については一見「良いこと」に思えますが、パフォーマンス(=より良い結果が出せたかどうか)で考えると、同じ課題をクリアするために余計な力を使う必要があるということです。

”より少ないエネルギーで、より速く走る”ことが「パフォーマンスが良い」と仮定するのであれば、ここでの筋活動の増加は「悪いこと」になります。

 

長期間のストレッチとランニングエコノミーの関係

大前提でお伝えした「柔軟性が低いとランニングエコノミーは高い」という現象。

これ自体は間違っていませんが、別の視点で考えることも必要です。

 

復習になりますが、ランニングエコノミーに影響する因子は他にもあります

  • レジスタンストレーニング
  • プライオメトリックスエクササイズ
  • ヒルトレーニング
  • インターバルトレーニング  など

これらの影響も考えながら「いかにパフォーマンスを最大化できるか?」、という視点が重要です。

 

また、当然ですが柔軟性が高まることでメリットもあります。

 

例えば、ある研究において、

最大速度の80%の速度においてストライド長が増大した。
これはストライド頻度を減少させ、結果的にエネルギーの節約につながりランニングエコノミーも向上するというものです。

 

混乱しないように再度おさらいです。

★柔軟性が低い=SSCの効率アップによるランニングエコノミーの向上
☆柔軟性が高い=ストライドの増加とエネルギーの節約が可能となりランニングエコノミーの向上

 

過程は違えど、結果としてはどちらもランニングエコノミーが向上するということがわかります。

 

結局、何がベストなのか??

ランニングエコノミーが6%アップ→ランニングのパフォーマンスも6%アップ

上記のようにイコールの関係性があるということは、その点を改善していくトレーニングをおこなうことでマラソンの記録更新につながるということです。

 

コレが絶対!とは言えませんが、個人的に推奨していることとしては[柔軟性エクササイズ(ストレッチ)は、必ずやるべき!]と考えています。

 

特に股関節を重点的におこなうことでランニングエコノミーの向上につながる可能性があります。

 

おすすめストレッチ

 

股関節の前方に存在する筋肉で特に重要な筋肉は「腸骨筋」「大腰筋」「大腿直筋」です。

イラストのように片足を後方に大きく下げた姿勢をとることでこれらの筋肉を伸張することができます。

 

 

日々のトレーニングでやるべきこと

  • 正しいフォームを身に付けること
  • 日常的な柔軟性トレーニング(ストレッチ)は推奨

 

レース当日のポイント

  • レース前のスタティックストレッチ(静的ストレッチ)はしないこと
  • レース前はダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)を行う

 

まとめ

  • ランニングエコノミーの向上はマラソンの記録更新に直結する!
  • ランニングエコノミーはトレーニングによって改善可能!
  • 柔軟性を高めるには運動後や別のトレーニング中におこなう

 

ストレッチを実施するなら

腸骨筋・大腰筋・大腿四頭筋(特に大腿直筋)を重点的におこなう。

具体的方法としては、週2回以上かつ各筋に対して20秒〜30秒は伸張する。

 

ランニングエコノミーを高めて、マラソンの記録更新を狙いましょう!!

 

ランナー向けの栄養補給

練習直後の栄養補給ではカラダの疲労や筋の修復ために「素早いエネルギー補給」「何の栄養素を摂るか」が大切です。

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