本記事は理学療法士(ランニングトレーナー)&市民ランナーである管理人が投稿しています。
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Eランニングとは
easy(やさしい、簡単)なランニングをEペースもしくはEランニングと呼びます。
普段のjogは基本Eランニングが多いですが、だからこそEランニングをどう消化するかで強くなれるか決まる、と言っても過言ではありません。
Eランニングのペースは1マイル(1600m)の持ちタイムからある程度算出できます。
→1kmあたり+約1分15秒〜1分52秒ほどゆっくりのペースがEペースになります。
VDOTとは
もともとVO2(ブイドットオーツー)の略語として使われていました。
1分あたりの最大最大酸素摂取量をもとにしています。
レースの酸素摂取量(ml )÷強度(%VO2max)で計算上のVDOTが算出されます。
ここではわかりやすいようにおおよそのパフォーマンス予測(ものさし)と考えておきましょう。
<私の2022年12月時点のVDOT>
フルマラソン基準ではVDOT48
VDOT | 1500m | 3000m | 5000m | 10km | ハーフマラソン | フルマラソン |
48 | 5分36秒 | 11分58秒 | 20分39秒 | 42分50秒 | 1時間34分53秒 | 3時間17分29秒 |
ハーフマラソン基準ではVDOT54〜55
VDOT | 1500m | 3000m | 5000m | 10km | ハーフマラソン | フルマラソン |
54 | 5分02秒 | 10分47秒 | 18分40秒 | 38分42秒 | 1時間25分40秒 | 2時間58分47秒 |
55 | 4分57秒 | 10分37秒 | 18分22秒 | 38分06秒 | 1時間24分18秒 | 2時間56分01秒 |
私のVDOT54(ハーフタイムの記録を基準に)の場合、1kmあたり4分38秒〜5分14秒がおおよそのEペース(予測値)となります。
実際の私の普段のjogは5分前後/kmでおこなうことが多く、体感的にも予測値は合っていると思います。
数値でしっかり管理するのが難しいと感じるのであれば、(おおよそですが)会話しながら走れるくらいのペースと覚えておきましょう。
マラソン完走を目指すのであれば、いずれロングジョグ(例:2時間ジョグなど)に挑戦する日が来ると思いますが、1度もストップすることなくロングジョグを走り切れるペースです。
VDOTについて詳しく知りたい方は「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」を読んでみましょう。
ランニング・トレーニングについて詳しく知りたいなら
ダニエルズのランニング・フォーミュラ
リディアードのランニング・トレーニング
期待できる効果
- ミトコンドリアと呼ばれる持久力アップに必要な細胞を増やす
- 毛細血管を増やす(血管新生)ことで持久力に優れた筋肉に変えていく
- 心臓(心筋)の強化をおこなう
上記に挙げた3つはマラソンを攻略するためのすべてと言っても過言ではないほど重要です。
特にEランニングで期待できる効果は、これらが直接的に作用した「持久力向上」です。
心臓(心筋)の強化
心臓は血液をカラダ中に送り出すポンプの役割を担います。
心臓も筋肉なので持久力を養うためには鍛える必要があります。
心臓の収縮する力を向上させるためには約60%HRmax(最大心拍数の60%程度の心拍数)のときに最大に達すると考えられています。
そのため、Eランニングでそこまで心拍数が増加しなくても、心臓自体は鍛えられているのです。
例:私が全力でそこそこの距離を走り最大心拍数が180回/分だったとすれば、その60%(=108回/分)の心拍数でのランニングを長時間続けることで心臓が強くなっていきます。
心拍数108回/分とはかなりゆっくりのペースであり、おそらく走ろうと思えば3〜4時間は楽に走れます(メンタルの要素は除いて。笑)
それがEランニング(Eペース)ということです。
ランニング(運動)を始めると徐々にカラダに血液・酸素が十分に行き届かなくなります。
そのようなカラダの状態を察知すると、まずはじめに心臓の1回ごとの収縮力を高めて血液を送り出す量を増やそうとします。
それでも十分に行き届かなくなってくると次は収縮の回数を増やして1分間あたりに送り出す総量を増やそうとします。(=これが心拍数の増加です)
最終的には心臓の1回あたりの収縮力にはある程度上限があるため、「1回収縮力×心拍数=送り出す血液量↑↑」の心拍数の部分が大きく変化します。
Eランニングはマラソン練習の7〜9割ほどを占めています。
トップランナーでも練習の大半はジョグであって市民ランナーと変わりありません。
(もちろんトップランナーたちのEペースは市民ランナーのマラソンペース以上ですが・・・。)
毎日の積み重ねがしっかりと心臓の強化=持久力の向上につながっています!!
組織の回復と耐性強化
そして質・強度の高いポイント練習からの回復(リカバリー)に備える練習でもあります。
質・強度の高いポイント練習をおこなった後は筋・関節などの組織にかかったダメージの修復が必要です。
回復すべき時期にさらに追加で負荷をかけ続けるとダメージの修復が追いつかなくなり故障につながります。
カラダは一定の負荷がかかると、それに適応しようとします。
組織が壊れないように、より強くなろうとする働きです。
この過程を繰り返していくことで筋肉は大きくなり、骨は強くなり故障しにくいカラダへと生まれ変わっていくのです。
効率的なトレーニングに変えるための知識
- キレイなランニングフォームで走る
- 最低でも30分は走る
- 上限は150分程度に抑える
- 急激に走る時間(距離)を増やさない
最低でも上記4つは押さえておく必要があります。
キレイなランニングフォームで走る
これはランニングエコノミーを高めるためにも重要ですが、途中で伝えたように練習の大部分を占めるのがEランニングだからこそです。
大部分の練習を効率の悪いランニングフォームで走れば走るほど、カラダに染み付いて本番でも効率の悪い走りになることはもちろんですし、ケガにつながります。
もし走り始めて明らかに調子が悪い、フォームが崩れていると感じる場合は思い切って「走らない」という選択もアリです。
【ランニングエコノミー(RE)とは】REを知ればマラソンはもっと速く完走できる!!の記事でランニングエコノミーを解説しています。
いっそのことしっかりカラダと心を休めて翌日にリフレッシュした状態でランニングをおこなう方が何倍も効率的でしょう。
最低でも30分、上限は150分
血管新生や心臓の強化のためには基本的に60分〜90分程度はEランニングをおこなった方が良いですが、トレーニング時間の確保がむずかしい日があったりすることもあります。
そのような場合は30〜40分の短めのランニングにしましょう。
これは最低でも30分間持続すると費やした時間に対する効果がかなり大きくなると言われているためです。
また上限を決めておくことも必要です。
よく言われているマラソン前に30km走が必要、と考えているランナーは多いようですがサブ4.5〜サブ6で走るランナーにとって30km走は3〜4時間ほど走る必要があります。
ハイレベルのランナー達がおこなう30km走の場合、設定ペースが速いためせいぜい2時間〜2時間半程度の時間を費やしているわけです。
市民ランナーが「距離」を基準にしてしまうと明らかに長時間走りすぎてしまうことにつながり、カラダにはとてつもない負担がかかります。
距離ではなく時間を基準に設定することでカラダにかかるダメージをコントロールすることが故障(ケガ)なく継続的に練習するコツなのです。
急激に走る距離を増やさない
指導者やランナーの考えにもよりますが、走行距離は徐々に増やしていく必要があります。
急激に増やすことで故障(ケガ)につながるおそれがあるからです。
考え方は大きく2パターンあります。
走行距離を増やす方法
- 1週間に10%ずつ増やす
- 最初の1ヶ月は走行距離を据え置きし、その後1週間単位で増やす
いずれの方法でも自分に合うパターンを選べば良いと思いますが、初心者ランナーであれば基本的に後者を選びましょう。
後者の例
最初の1週間の走行距離の合計が20kmで、それを4週間続ける。
その翌月から1週間で10km増やし、1週間ごとに10kmずつ増加させる。
最後に
Eランニングとは練習の大部分を占める比較的楽なペースでのランニングのことを言います。
大部分を占めているからこそ、持久力向上に不可欠な重要なトレーニングです。
期待できる効果
- ミトコンドリアと呼ばれる持久力アップに必要な細胞を増やす
- 毛細血管を増やす(血管新生)ことで持久力に優れた筋肉に変えていく
- 心臓(心筋)の強化をおこなう
Eランニングをおろそかにせず、効率的に取り組んでいきましょう!!
ランニング・トレーニングについて詳しく知りたいなら
ダニエルズのランニング・フォーミュラ
リディアードのランニング・トレーニング
ランニング用の骨伝導イヤホンはSHOKz
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ランナー向けの栄養補給
練習直後の栄養補給ではカラダの疲労や筋の修復ために「素早いエネルギー補給」と「何の栄養素を摂るか」が大切です。
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